11 履正社の人 −RISEISHA 100 Stories

憧れのユニフォームで
プレーする喜び。

蜜浦さくらさん

阪神タイガースWomen

2019年 履正社高等学校卒業
2021年 履正社スポーツ専門学校 北大阪校 スポーツ学科 野球コース卒業

 2021年に始動した阪神タイガースの女子硬式野球クラブチーム「阪神タイガースWomen」でプレーをしています。現在のメンバーは19人。伝統あるタイガースのユニホームを着て、室内練習場など同じ練習環境で野球ができるのは本当に恵まれていると感じています。

 7月9日に甲子園で初めての試合を行いました。昨年の女子クラブ選手権優勝のエイジェックなどと2試合をして、1試合目は「7番・DH」、2試合目は「8番・一塁」でともにスタメン出場することができました。小学4年から野球をやってきて、甲子園はずっと憧れていた夢舞台でした。

 甲子園をホームグラウンドにして、タテジマを着てプレーする。当日は2000人のファンが集まり、サンテレビや球団の公式動画配信サービス「虎テレ」でも中継されました。拍手をいっぱいいただけて、野球を続けてきて良かったと改めて感じました。家族をはじめ、履正社時代の恩師や仲間、支えてくれた多くの人への感謝を忘れてはいけないとも強く思いました。

「野球を楽しむ」は、今も心の中に

 履正社では高校で3年間、専門学校で2年間、野球に打ち込みました。高校では橘田恵監督にしっかりと基礎を教わりました。よく怒られたけど、試合では選手と一緒に野球を楽しみ、いいプレーをすれば誰よりも喜んでくれる監督でした。キャプテンのときに「あなたは楽しんで野球をしていない」と言われたことを思い出します。自分がやらないと、自分が打たないと、という思いが先に出ていたんでしょうね。「野球はチームプレー。自分がやらなければ、という考え方ではダメ」というアドバイスは今も心の中にあります。

 石山一秀監督の指導を受けた専門学校では同期が4人、下が8人とメンバーは少なかったけど、その分、練習メニューなどを考えて取り組む習慣がつきました。合わせて5年間の経験が「阪神タイガースWomen」につながったと思っています。セレクションで合格と知ったときは、本当にうれしかった。受かるとは思っていなかったですから。

「阪神タイガースWomen」はクラブチーム。社会人としての仕事は別にしています。職場が履正社の硬式野球グラウンドとサッカー場のある茨木キャンパスの近くにあり、つくづくご縁を感じます。仕事の後、平日は週3回の練習日。土日は全体練習や試合。忙しいけど毎日は充実しています。練習のない日は子供たちを対象にした野球教室「阪神タイガースアカデミー」のお手伝いもさせていただいています。

 履正社OBで阪神タイガースのキャプテンの坂本誠志郎さんにも「頑張れよ」と声をかけていただきました。打者として目標にしているのは大山悠輔選手。勝負強い打撃もそうだけど、凡打のときでも常に一塁へ全力疾走する姿は素晴らしいと思っています。

 チームのために、自分がやるべきことにしっかり取り組んで、野球をしている女子選手の目標となるチーム、そして目標とされる選手になりたいと思っています。投手の石村奈々と2人で履正社から入団しました。プロではないけど、チーム内の競争はあるし、毎年新しい選手も入ってくる。その中で自分のレベルを高めて、女子野球を盛り上げていきたい。それが今の目標です。

Profile

蜜浦さくらさん

Sakura Mitsuura

2000年生まれ、大阪府出身。履正社高校時代は2年時、第1回BFA女子野球アジアカップ代表で優勝に貢献。高3時は全国大会春ベスト8、夏ベスト4。2019年に履正社スポーツ専門学校 北大阪校 野球コースに入学。「履正社RECTOVENUS」では主将を務め、2021年に「阪神タイガースWomen」に一期生として入団。背番号27。内野手