チャレンジする支店長でありたい。その気持ちを日々新たにしています。金融サービスを巡る環境が大きく変化している今、お客様にとって銀行はどうあるべきかを常に考え、お客様が困った時に、真っ先に相談していただける窓口を目指しています。
昨年10月、39歳で名古屋城からほど近い三菱UFJ銀行黒川支店の支店長に就任しました。行員のキャリアアップを後押しする公募制度に手を挙げ、選ばれたんです。国内の営業店や中国・上海での経験も踏まえた「お客様のことをいちばんに考え、お客様のためになることを考える銀行でありたい」という想いが認められました。言った以上、責任を持って取り組むだけ。お客様の「ありがとう」の言葉が一番の力になりますし、支店のメンバーが楽しそうに働いているのも励みになります。
仕事に対する考え方、価値観は5年間赴任した上海で大きく変わりました。中国では政策や法律が急に変わることも珍しくなく、進出している日系企業は最新の情報が必要となります。担当している企業から「中山さんならなんとかしてくれる」と信頼されるように頑張りましたが、最初は現地スタッフとの連携が難しかったです。
お客様に最新の情報を伝えるにあたっては、現地の中国人スタッフとともに関係当局へ確認などを行い、状況をきちんと把握しなければいけません。ここでは日本人特有のあうんの呼吸は通じないし、時には会話がけんか腰になることも。その中で気付いたのは「相手が何を考え、何をしようとしているのかを理解すること」の大切さ。相手が誰であれ、これを心がけるとコミュニケーションが円滑になって信頼関係が生まれ、その積み重ねがいい仕事にも繋がります。苦労もありましたが、実りの多い5年間でした。
そっと見守ってくれた担任のように。
積み重ねと言えば、高校の3年間は、ひたすらテニスに打ち込む日々。先生の厳しい指導の元、キャプテンとしてチームをまとめ、全国を目指しました。当時はコートが1面しかなく、それでもなんとか強くなりたいと工夫し、テニス、ランニング、筋トレと3つのチームに分かれて練習しました。キツかったけれど、その結果岩手でのインターハイで団体ベスト8になった。誰か一人が強かったというわけではなく、みんなで力を合わせ、カバーしあって勝ち取った結果。これは自分の人生最大の財産です。
この大会では、どんなショットも全部入るという、初めての感覚を味わいました。2回戦で第2シードの強豪校と対戦した試合では「強いヤツを負かしたい」という気持ちが芽生え、先生からは「お前らにまかせる」と声を掛けてもらいました。普段ならできないようなプレーができたのも「どこにも負けない」という気持ちで続けてきた練習の賜物。努力は報われると感じた大会でした。
高校時代の多感な時期って、一所懸命にやることが格好悪いと思いがちじゃないですか。でも履正社は違った。テニスも野球も、勉強する生徒もみんなが一所懸命。先生も含めて一所懸命やる人を応援する雰囲気があり、授業や部活動を通じて「素直」「謙虚」「感謝」をいつも先生方に言われた。それは今の自分の下地になっています。
練習がキツかったり、キャプテンとして悩んでいた時の、担任の先生のさり気ない言葉も忘れられません。「きのうも怒られてたな。何をしたんや」。少し離れたところから、自分のことを気にかけてくださっていた先生の、そんなひと言で肩の力が抜けたものです。大人になった今、支店長として支店のメンバーにも同じように声をかけています。先生や上司、上の人間が遠い存在になってはいけない。これも、履正社高校の3年間で教えていただいたことです。